2月1日に行われた、開成中学の入学試験。その合格発表が、3日午後1時から行われた。
西日暮里の駅から歩いて開成中学に向かう僅か百数十メートルの道のりだが、正門の手前の歩道橋のあたりからポツポツと、大小様々な塾や予備校の先生達が、入学後に通ってもらうためのチラシやパンフレットを、次から次へと手渡していた。
中学に入るための戦いが終わらぬうちに、もう次の受験戦争は始まっているのだ。15分前に開成中学に到着し、正門を入ると、既に溢れんばかりの人だかり。
合格者の受験番号が貼り出される場所に向かって、放射状に群衆ができている。
発表を待つ10分ほどの時間が、とてもとても長く感じられた。
会場は屋外にもかかわらず妙な熱気に包まれ、静かな緊張感が漂っていた。
午後1時。
受験番号が書かれたボードを、係の人が作業台に乗って次々と掲げていく。
その直後から「ヤッタァーッ!!」「キャー!あったよ!!」といった歓喜に満ちた声が聞こえたかと思えば、「あ~、ダメだったね」「よく頑張ったよ」といった声もあちこちから聞こえてきた。
塾の先生と思しき方々も、自分の生徒と共に喜びを分かち合う先生も居れば、本部と携帯電話でやり取りしながら、声を震わせながら受験番号と名前を読み上げて、合否の連絡をしている先生もいた。
ここで合格を手にした子も、そうでなかった子も、マラソンで言えばようやくスタート地点に立ったばかり。そう、戦いはまだ始まったばかりなのだ。
へび蔵
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