誰かが言う・・・「英雄は要らない。ただその日の生活があるだけ」
最近はジャッキーの影が薄いらしい
モンスーンの雨は人間に容赦ない。日本車のタクシーがその中を時速120kmで空港から香港市内へと向かう。打合せのレストランの窓に激しく打ち付ける雨・・・というより壊れたシャワーだ。「晴れたらいいのだが・・・たぶん無理だろう」
翌日VIPが到着したが・・・無情の雨はさらに激しくなっていく。「雨男は誰なんだ?」
香港EXCEEDが日能研関東の小嶋勇理事長を招聘した講演会は、5月24日の日曜の午前、香港島の金鐘(アドミラルティ)にあるパシフィック・プレイスの会議室で開催された。
異国に住む日本人の親たちは緊張した面持ちで会場に入った。
「本当にアノ小嶋理事長が来るの?」
未だに半信半疑の顔、顔、顔・・・
講演会の前後に、会員の小中生たちが理事長から直接色紙にサインをもらうため、親たちをさらに上回る緊張した顔で控え室に現れる・・・「きみならできる」
「私学は中学で入るのが一番難しく、高校から入るのが最も易しい」
最初、気候の違いに理事長のいつものペースは上がらない。
雨はよこなぐりに窓に打ち付ける・・・「ここはどこだ?」
「知識の土台は広いほうが高く積める・・・褒めノートをつくってください。子供に謝ることが大事です」
気がついたらペースは上がっていた・・・「モンスーン気候がなんだ! 雨も味方だ」
100名近い親たちのいる空間は心一つになっていた。
「ハートが大事なんです。親が変わらないと子供も変わらないのです」
親たち全てのハートにその言葉は快く響いた・・・
半年前の横浜中華街。「日本でもありえないような講演会を五周年記念でやりたい」
紹興酒で酔った勢いで彼はつぶやいた。
「小嶋理事長しかいない」
「そんな・・・無理に決まってる!」
思いが実現した夜、彼は全く違う気持ちで酔っていた・・・。(後編に続く)
豚々拍子
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