「コトの経緯は?」
「あのね・・・なぜか急に中高のバイパスが走っちゃったから、先にやろうとした御大が怒っちゃって大変だったのよ」
「そうか・・・それで?」
「でもね、御大がなんだかんだ言っても六割強の株式所有してたから、それを買い取る算段でさあ・・・コレ書いちゃ駄目だし、俺の名前とか出さないでよ・・・俺は『黒子』なんだからね」
「じゃあ暗くして写すか・・・」
「おいおい・・・腹だけ撮ってどーすんのよ?」
「で、今後は?」
「俺は本体の立て直しをしたいのよ。それでアッチのほうは拡大しないように釘刺してさあ・・・一人何役もだよ」
「大変だねえ・・・昔からねえ。でも遣り甲斐あるジャン?」
「またまた、他人事だと思ってさあ」
「継承問題は?」
「創業者にはお世話になったし、今の大将にもね・・・三代目につなぐため頑張るよ」
「若手のホープだけど、業界は今厳しいよね?」
「とりあえず、資金は準備しておいて、また新たなM&Aでもあれば慎重にやるつもり・・・でも今は手一杯かな」
予備校が生き残るためには、小中部を外から付け足すことが有効。だが、Wブランドでシナジー効果がうまく発揮されるかどうかは誰にもわからない。今後数年間に、その戦いは激しさを増すことは確実。
ブランド力は合格実績だけではない。人材の質を高める努力がなければ塾も予備校も確実に廃れる。歴史がそれを証明している。
「キーマン?」は、稲妻が光る西麻布で、ひたすらハイボールを飲んだが、押さえたコメントに終始したのだった。そして何度も「俺は黒子だから・・・」とも。
全てをお伝えできないのが残念・・・西麻布から豚々拍子がお伝えしました。