発足早々、北朝鮮の核実験問題に揺れる安部新政権ですが、周知のようにこの内閣は次の5課題を基本方針として掲げています。
1. 活力に満ちたオープンな経済社会の構築
2. 財政再建と行政改革の断行
3. 健全で安心できる社会の実現
4. 教育再生
5. 主張する外交への転換
われわれがとくに注目したい4番目の「教育再生」の目標は3点。
1) 家族、地域、国を大事にする、豊かな人間性と創造性を備えた人間の育成に向け、教育再生に直ちに取り組む。
2) 教育基本法案の早期成立を期す。
3) 公教育を再生し、基礎学力強化プログラムを推進するとともに、教員免許の更新制や学校の外部評価の導入を図る。
内閣に「教育再生会議」を設置し、文部科学省と連携しつつこの目標を達成していくというのがこの安部首相の目論見のようですが、どうも理念優先に走り過ぎるキライがあるような気がしてなりません。
加えて、官邸側で会議を主導するのが山谷えり子首相補佐官、文科省側をリードするのが伊吹文明大臣と池坊保子、遠藤利明両副大臣に小淵優子政務官。タレントとお嬢様と大蔵官僚と体育会系の連合体で、教育の現場を知るものは皆無といってよいほどです。
そこで期待したいのが下村博文官房副長官。
下村氏といえば安部氏が幹事長時代には副幹事長も務めた首相の側近中の側近。今度は官房副長官として常に傍らに控えてアドバイスを送る立場におられます。中韓訪問の折にもしっかり脇を固めているのがテレビに映っていました。
われわれが今、切実に願っているのは理念よりもむしろ早急に「公教育を再生し、基礎学力強化プログラムを推進する」ことです。だれよりもよく現場をご存知の下村氏にまずこのことをお願いしたいと思います。
(Written by PSC)