——全国私塾情報センター 正会員に月二回発行されている「学習塾経営速報」で好評連載中のインサイドレポート(取材のこぼれ噺)をお送りいたします。
S塾の取材では、最後の最後までトップが表に出てこなかった。担当者の話では「誰にも簡単に会わない。社員もめったに顔を見ない」という。経営がどうなっているかもわからず働いているらしい。まるで「御簾の中」だ。言葉も間接的にしか伝わってこないのだろうか?
「でも・・・給料はちゃんと支払ってもらっているし、部長から仕事の指示は出ていますから・・・」といたって暢気だ。
その数ヶ月前、社員数人による横領事件が起きたのだが、それについても「社員がやったかどうかは警察の調べることだけど、犯罪人みたいな人はいませんから、この会社には・・・」と憶測で語り、「私も入社歴は浅いので、実はよくわからないんですがね」と本音が出てきた。
「塾を買った」まではいいが、経営的にはグループのお荷物となりリストラに次ぐリストラ、終いに、利益を社員に横領されていては「踏んだり蹴ったり」だが、手放すわけにもいかず・・・仕事はしているが、社員たちは「飼い殺し」同然の扱いを受けている。
辞めていった社員の中には、「元S塾」の看板を掲げて他塾に転職し、かつての栄光を取り戻している人もいるようだが、ほとんどは厳しい生活を強いられている。この塾に在籍したことのある元社員は語る。
「臆病なトップは社内のあちこちに盗聴マイクやら監視カメラやらを設置している。社員を飲みに誘う時は必ず一人ずつで、いろいろと噂話や自分の評判について聞きだす。経営なんかしてなくて、銀行から来た隠居が裏で操っている」
これでは、キャッチフレーズ通りの「子供の個性を伸ばす素敵な教育」ができるかどうか頗(すこぶ)る不安なのは、私だけだろうか?
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