※取材塾は匿名としてあります。また、各項目の内容は複数の塾の情報を合体してあります。
A塾で研修を行った時に、外部から呼ばれた老齢なV講師が「これからの時代は尺とり虫のように生きなさい」と、参加した社員たちに言ったという。
「伸びたり縮んだりしながら、いろんな道を着実に前進する・・・そんなマイペースで根気強い尺とり虫のような生き方が見直されている。景気がいいからガンガンやり、不景気になるとコソコソしてしまうのは、中心になる精神が揺らいでいるからだ。それなら、むしろ何も考えないほうがいいかもしれない」
尺とり虫は、自分の分をわきまえている。急いでもたかが知れているから急がない。でも一生懸命に進む。怠けたりだらけたりはしないのだ。
「ほかから見たら “なんてノロいんだろう” “なんて単純なんだろう” って見えるけれども、それがいい。無駄がないことがこれからの時代は大事だ。無駄なんていつでもできる。無駄をしなくなると本当の余裕というものがわかってくるものだ。ゆとりもないのに余裕のある生活をしても仕方がない」
V講師は元々は商社の海外駐在員でやり手の営業マンだった。数字が全て、結果オーライの仕事の中で、人間性の深さを見てきた。
「生き方はいろいろ。肌の色も言葉の違いも関係ない。いかに自分のことを理解して、足りないところをどれだけ人から学んでいるか・・・年齢も性別も国籍も関係なく、学べることができた」
外国語は結果としてマスターできたという。友人の多くが外国人で妻も外国人。
「外国ではよくホームパーティーをするが、日本は結婚式や葬式など、特別な時にしか集まらない・・・もったいないね。コミュニケーション不足は生活習慣の違いにもよる。学校や塾が閉鎖的にならないで、もっとコミュニケーション促進の支援をしなくっちゃ」
この辺りも、尺とり虫と同じように、安全対策とのいたちごっこで進化させていくしかないのかもしれない。
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