『月刊私塾界』編集長の小松です。先週25日(水)午後6時半から、東京・港区の東京プリンスホテルで、下村博文・衆議院議員の第79回「博友会」が開催されました。
その席上、下村議員は教育に関する問題提起を行い、その政策を提言しました。
家庭の所得格差が広がり、それが学歴格差につながっている今となっては、機会を平等にするために、幼稚園・保育園から高校までを無償とし、大学も今の半分の学費にすべきという大胆なものです。財源は消費税を7%に引き上げることによって捻出するということです。
「この国の将来を考えたとき、環境産業やナノテクなど高付加価値のものを作り、それを海外に輸出していく以外にないと考えます。しかし、それができる人材が圧倒的に少ない。そのためには人づくり、つまり教育が非常に重要なのですが、親の所得格差が子どもの学歴格差になりつつあるのが現状です」と下村議員は語っていました。
下村氏によると、現在の日本は、OECD諸国25カ国の中でアメリカに次いで子どもの貧困率は2番目(貧困率は、家庭の平均所得の半分以下の家庭を計算)で、約15%にも登るとのこと。
「また、日本は世界の中で最も教育においては私的負担が多く、公的負担が少ない国なんですね。これがどういった問題として出てくるかというと、今年のお正月の派遣村のような形で出てきています。
消費税を7%にすると約17.5兆円捻出できる計算で、それだけあれば幼児教育から高校までの教育費を無償にでき、大学の学費も今の半分くらいにできます」
さらに社会に出てからも、失業した場合は新たな仕事に就くまでの職業訓練費を半年〜1年くらいは出せるということです。
「国民一人ひとりを潜在的な可能性のある財産として評価しながらバックアップしていきたいと思います」と、下村議員は最後に締めくくりました。
大胆と言えば大胆な提言ですが、国民の血税を何に投資するのが最も有効かと考えた場合、それはやはり人づくり、つまりは教育以外にないとはいえないでしょうか。目的なき消費税アップは言語道断ですが、若者や子どもたち、次世代のためになることであれば国民の多くを納得させることは難しくないと思います。もちろん、併せて公務員改革を進めることも大きな課題であることは確かです。
国が徹底的に教育投資をして大成功を収めたのがフィンランドです。人口減少社会に突入しつつある今だからこそ、そして不況期だからこそ、公共投資としての教育は待ったなしで進めてもらいと思います。
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