明けましておめでとうございます。
塾は正月特訓真只中、教室の現場では熱い授業が繰り広げられています。そのことを十分承知の上で、また多少後ろめたさも感じつつ、小生は大晦日と元日、温泉で「命の洗濯」をさせていただきました。
伺った温泉旅館は信州長野の湯田中温泉、「萬屋(よろづや)」さん。有名な老舗ですのでご存知の方も多いでしょう。 逗留早々、チェックインの時のあわただしさもあったのでしょう、若女将の接客がほんの少し気に障ったこと、またすでに到着していた仲間も臨機応変な対応を示してくれず、いさかか不愉快であったこと、「決してリピーターにはなるまいぞ」との思いで、とうとう「小言幸兵衛」(口うるさい老人)をやってしまいました。なんと夕食のとき、わざわざ若女将を呼びつけ、クレーマー(いやほんの助言ですがと言いつつ)になってしまったのでした。
しかし、しかし、翌朝、そのクレームを帳消しにして余りある「接客」、おもてなしをいただきました。ゆうに200年をこえた寛政年間創業のこの旅館のお風呂「桃山風呂」は、平成15年に登録有形文化財に指定されていて、また別館の本格的書院造の各部屋は素晴らしい日本建築です。文化庁お墨付きの各部屋を見学させていただきました。なんと案内人は先代ご当主の会長(因みに見学はいつでも受け付けているとか、前夜文句を言ったからではありません)。その懇切丁重な解説は、各部屋の建材の素晴らしさ、宮大工の巧みさに感じ入ったことと重なって、とても印象深いものでした。おかしかったのは何度も、文化庁からきれいすぎると言われるのです、手は一切かけていないのに、と繰り返しお話なさったこと。
それから言い忘れないように。帰途、おひとり雪降る外でお送りくださったのは、楚々とした大女将。その立ち居振る舞いにもサービスの基本を見る思いでした。これはリピーターになるしかないか!
いまさらですが、サービス業は(塾も同じ)設備、環境、価格、それ以前に、「人から始まり人に終わる」のです。そのことを見事にこの老舗旅館が具現していました。いずれ若女将も大女将に教えられ、その境地に達してゆくでしょう。
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